W杯

スペイン紙『アス』副編集長は日本対スペインをどう見る?「日本の勝利はほぼ大偉業。遠藤航がかつてないほどに必要だが…」

12月1日に行われるワールドカップ・グループE最終節、日本対スペイン。日本にとっては勝てばグループステージ突破が無条件で決まり、負ければそのまま敗退に追いやられる非常に重要な一戦となるが、スペインのメディアはこの試合をどう捉えているのだろうか。同国のスポーツ新聞『アス』のハビエル・シジェス副編集長に話を聞いた。

Wataru Endo

シジェス副編集長は戦術分析に長け、『アス』ではレアル・マドリーなどスペインのチームを中心に分析を行い、また『GOAL』に対しては日本代表の分析記事を寄稿し続けてきた。スペインと日本、両方に精通しているわけだが、そんな副編集長にしても日本がスペインに勝利するのは「大偉業」であるとのことだ。

「日本にはもう間違いを犯す余白がない。ドイツがコスタリカにまあ勝つとして、日本がスペイン戦で義務付けられるのは勝利という大偉業にほかならない」

シジェス副編集長はまた、 日本がスペインを攻略するためにはDFとMFのライン間でスペインを決して自由にさせないこと、また速攻からスペインのセンターバックサイドバックの間を突くことを挙げる。

森保一が4バック、または5バックを使うかは分からない。システムはただの数字であり、より重要なのは確信を持つこと、チームとして強固さを手にすることだ。まあスペイン戦では、おそらく4バックを使って中盤に人数を割いた方がいいだろう。中盤でスペインのラインを破ろうとするパスを塞ぎ、ボールを奪った後にはスペインのセンターバックサイドバックの間を突く……。理論は簡単だが、それがうまくいくかどうかはまた別の話となる」

スペインは累積警告にリーチがかかるMFセルヒオ・ブスケツを温存する可能性が報じられている。スペインのポゼッションスタイルの要とされる選手だが、チームのパフォーマンスにネガティブな影響を与える可能性はないのだろうか。

「スペインにとってブスケツがいないというのは、どんな場合でも大きな穴となる。彼らにはロドリもいるが、ロドリも結局ブスケツではないのだから。それでもスペインは、ブスケツ不在を乗り越えるだけの創造的メカニズムを有している。日本にとってはペドリを封じることが最重要課題となるだろう」

その一方で日本のカギを握る選手としては、3人の名を挙げている。

「ひざを痛めたために出場できるか分からないが、守備において中盤とDFラインの接着剤となり、スペインのパス回しを難しくさせる遠藤航の存在はかつてないほど重要だろう。また攻撃においては、三笘薫のドリブルと伊東純也の縦のスピードが大切になるはずだ」

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