相撲

貴景勝大関の意地と経験の差 優勝争い大混戦へ 初場所13日目

大相撲初場所13日目は20日、東京・両国国技館であり、大関貴景勝が平幕の阿武咲を破り、3敗で並んだ。

阿武咲(右)を攻める貴景勝=東京・両国国技館で2023年1月20日、前田梨里子撮影

これが大関の意地だ。優勝を占う大一番。1差で追う貴景勝が連敗を2で止め、同学年で単独トップだった阿武咲に待ったをかけた。

 押し相撲同士の対戦。立ち合いで頭で当たった貴景勝が左に動いていなし、攻勢に出た。阿武咲から逆襲を受けるも、右から強烈な張り手を食らわせる。張り返そうと上体が伸びた阿武咲を押し込み、土俵下まで吹っ飛ばした。鼻血を流しながら勝ち名乗りを受けた貴景勝に対し、阿武咲は「むきになって右(の張り手)が空振った」としかめ面だ。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「経験の差でしょうね。(貴景勝は)優勝争いの経験がある。落ち着いてましたよね」。初の終盤での優勝争いとなった阿武咲に対し、2度の優勝経験がある大関に一日の長があった。

 同じ1996年生まれの26歳の2人は小学時代から競い合ってきた。中学横綱を決める全国中学校選手権決勝でぶつかった時は貴景勝に軍配が上がった。角界に入ってからもしのぎを削りながら、過去の対戦成績では貴景勝が11勝3敗と圧倒。今場所勢いに乗る相手に対して、またも力を見せつけた。

 賜杯争いはこれで、3敗で並ぶ琴勝峰に加え、4敗の3人も絡む大混戦となった。平幕優勝が3場所続く中、「一人大関」が番付の重みを示せるか。リモート取材に応じず国技館を後にしたその背に、秘めた闘志をたぎらせる。

room.rakuten.co.jp

 

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