相撲

貴景勝の綱取り再挑戦に〝不穏〟情報 秀ノ山親方「朝乃山返り咲きなら賜杯レースは大混戦」

綱取り再挑戦の行方は――。大相撲初場所千秋楽(22日、東京・両国国技館)、大関貴景勝(26=常盤山)が幕内琴勝峰(23=佐渡ヶ嶽)との相星決戦をすくい投げで制し、12勝3敗で13場所ぶり3度目の優勝を果たした。今場所の横綱昇進はならなかったものの、春場所(3月12日初日、大阪府立体育会館)で再チャレンジの権利を確保。元大関琴奨菊秀ノ山親方(38=本紙評論家)が、綱取りの条件となる「2場所連続優勝」の可能性を占った。

綱取りに再挑戦する貴景勝

貴景勝が3度目の優勝を果たし、来場所の横綱昇進へ望みをつないだ。平幕の琴勝峰との相星決戦。頭で当たって左を差すと、すくい投げで豪快に相手を転がした。13場所ぶりに賜杯を抱いた貴景勝は、綱取り再挑戦へ向けて「謙虚に日々の生活と稽古を頑張っていけば、そういうものもいずれ報われる。また頑張っていきたい」と意欲を示した。

秀ノ山親方は弟弟子の琴勝峰をはね返した一番について「立ち合いで突き放して自分のリズムを生み出すことに集中しているから、相撲に迷いがない。〝これが貴景勝の相撲〟というものを、しっかり結びの一番に出していましたね。経験の違いもそうだし、勝負に臨むまでの心の準備の仕方…。やはり、1枚も2枚も大関が上だった」と分析した。

一人大関として臨んだ初場所は好成績で優勝すれば、横綱昇進の可能性もあった。しかし、11日目(18日)からの連敗で3敗に後退。綱取りが絶望的になる中でも、最後まで心が折れることはなく賜杯をつかんだ。秀ノ山親方はその姿に「綱」へ向かう意志の強さを感じるとともに、2場所連続優勝もあり得るとみている。

「今場所の貴景勝は鼻血を何回も土俵上で出して、戦う顔になって向かっていきましたよね。重圧がかかっている中でも相撲も心もブレることなく、上を目指して突き進んでいく気迫が前面に出ていた。心の強さは誰にも負けないものがあるし、次の場所も(優勝争いを)引っ張っていく存在になると思う」

ただ、今回もそうだったように、賜杯レースが大混戦となる流れは来場所以降も続きそうな雲行き。次の春場所では元大関十両朝乃山(28=高砂)が幕内へ返り咲く可能性もある。秀ノ山親方は「朝乃山が上がってくれば、また幕内が混戦になる。優勝争いに加わることもあるのでは」と予測した。

今場所は千秋楽の割(取組)が崩され、大関貴景勝と平幕の琴勝峰による相星決戦が組まれた。朝乃山の幕内復帰が実現すれば、来場所の終盤に賜杯をかけて貴景勝と激突する可能性もゼロとは言い切れない。いろいろな意味で目が離せない場所となりそうだ。

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