国防

自衛隊」の給料はどれくらい?年収が2000万円超える自衛官

過酷な訓練の経験など、任官中のエピソードを持ち味にした元自衛官が、芸人やYouTuberになって人気を集めている。自衛官は国家公務員だが、年収はどのくらいなのだろうか。自衛隊の幹部の中には年収が2000万円を超える人もいるというが、賞与などはどのようになっているのか?

(画像=akiyoko / stock.adobe.com(画像はイメージです))

自衛官の年収はいくらなのか?

国の平和と独立を守るだけでなく、有事の際は、救助活動などを行う自衛隊。そんな自衛隊に所属する自衛官の年収は「手当」によって大きく変わるのが特徴。場合によってはもとの給与の倍近い金額になることも。彼らの給与はどんな仕組みになっているのか。

●賞与や扶養手当の有無が年収の額を左右する

国家公務員である自衛官の給与は「俸給」と呼ばれ、防衛省が定める俸給表に基づいて毎月支給される。

俸給は、階級や号俸(実績や勤続年数によっての昇格)ごとに金額が設定。その他、2回の賞与や扶養手当などがあり、これらの要素が年収の額を左右する。

自衛隊が公表している年収の例によると、年収額は250万円〜1,000万円と幅があるものの、500万円〜750万円程度が平均だそうです。

●基本給の80%に当たる手当が支給されることも

前述の賞与や扶養手当の他に、勤務の場所や内容に応じて手当が支給されることも。この自衛隊特有の手当が年収の額を大きく変化させる。

手当には、船舶や航空機への搭乗による「乗組手当」や、危険物の処理といったイレギュラーな対応への「特殊勤務手当」などが存在。護衛艦への乗船は33%、潜水艦への乗船は45%、航空自衛隊の戦闘機パイロットであれば80%が、手当として俸給の他に支給される。

手当の具体的な例を挙げると、イラクに派遣された自衛官には30日間で72万円が支給。福島第一原発での敷地内作業の際には1日あたり42,000円が支給された。

■「自衛隊幹部クラス」の給料はいくら?

日本の平和と独立を守り、災害時の援助や医療、捜索などの対応もする自衛隊。全体の平均年収は500〜750万円程度とされ、日本の平均年収を上回る水準だ。自衛隊の中でも隊員を指揮する「幹部自衛官」になると、年収はどれほど高くなるのだろうか?

●「幹部自衛官」の年代別の平均年収は?

自衛官の給与は、階級や勤続年数によって決まり、防衛省が定める俸給表に基づき支給される。階級は上から順に「将官・佐官・尉官・曹・士」を基本として全部で16階級あり、「将官・佐官・尉官(3尉以上)」が幹部に分類される。

幹部自衛官(大卒程度)の年代別の平均年収は、入隊時で約370万円、30歳で約610万円、40歳で約870万円、50歳で約980万円だという(自衛隊鳥取地方協力本部)。

日本全体の年代別の平均年収は、20〜24歳で260万円、30〜34歳で400万円、40〜44歳で470万円、50〜54歳で514万円だ(国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査 調査結果報告」)。

日本の平均と比べると、幹部自衛官の年収はかなり高く、経験年数を重ねるごとに右肩上がりで伸びていく傾向にある。

●「将官・佐官・尉官」の階級で年収はどれほど差がある?

階級が上がるにしたがって、幹部の年収はどのように変わるのだろうか?

俸給表をもとにすると、「尉官(3尉以上)」の月給は約25〜45万円、「佐官」は約32〜55万円、最高位である「将官」は約51〜118万円。自衛官のボーナスは4.5ヵ月分とされているので、月給12ヵ月分とボーナスを合わせると約413〜1,947万円となり、なんと1,500万円以上の差がある。

月給とボーナスに加えて、地域手当や扶養手当、さらには業務内容に応じた手当が支給されることもある。例えば護衛艦の乗組みは月給の33%、潜水艦の乗組みは月給の45.5%、航空機搭乗員としての勤務になると、該当する階級の最低月給の60%が手当として支給される。

こうした手当を含めれば、年収が2,000万円を超える幹部もいるだろう。

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